終身雇用組と転職組

定年までの自分をイメージした時に、同じ会社に居続ける選択をしたAさんと、転職を試みた、その同期のBさんの働く意識を考える中で、2人のワークスタイルを比較してみたいと思います。まず、2人の定年を迎えた姿を主観的ではなく、客観的に捉える必要があるでしょう。印刷業に携わる有名企業に10年ほど籍を置くAさんとBさんは、入社年度が一緒であったので仲の良い同期として、社内では期待される存在だったようです。2人は同じ部署の同じチームに配属される事が多く、公私ともに阿吽の仲とも言われ、将来の幹部候補として常に注目を集めるポジションに置かれていたようです。会議中に2人の意見が対立しようとも、2人とも争う事はなく論理的にお互いの意見を分析し、お互いに自身の見解を述べるスキルを持ち合せていたので、意見が分裂しようとも、派閥や対立を生む心配もなかったそうです。そんな2人の取り組みは、社内の業績高に貢献し、常に好評価を得るエリート的な役割を果たしていたのではないでしょうか。ある日の事、Bさんが、Aさんに退職願いを出したと報告すると、Aさんは、突然の事でパニックになっていたそうですが、すぐさま落ち着いて退職理由をBさんより聞き出したそうです。Bさんの退職理由は、Aさんの存在でした。Bさんが、40代を前に自身の人生設計を描き、自分の定年までの姿をリアルに想像したところ、自分の活躍がどのように社内で評価され、長期的に活躍できるのかどうか考えたそうです。そこには、常にAさんの影を踏み続けるような自分が浮かんだそうです。Aさんは、年下の部下などからの支持も高く、どんな現場においてもリーダーシップを発揮できる絶対的な存在に感じられたようです。そこで、自分はAさんがいる事で、社内での評価は高いけれど、他のフィールドが似合っているのではないかと自己分析したそうです。どう長期的なスパンで、物事を考えてもAさんに勝てる道すじがみつからなかったと言うのが、転職の理由だったようです。Bさんは、自分の土俵を探し、またそこで評価を得る道のりを選びました。どう足掻いても勝てない優秀な人が社内には必ずいるでしょう。皆さんも、自分自身に無理な挑戦を強いる必要はないでしょう。転職という形で自分の新たなる土俵をみつける事も、キャリア作りには重要な糸口と言えるでしょう。Aさんは、そんなBさんの突然の告知に、最初は驚きましたが、Bさんの気持ちを察し、お互い健闘をたたえる意味で、その場で握手をしたそうです。Bさんのように、自分がどうあがいても、職業人生において勝てない優秀な相手と同じポジションをめざす場合は、居場所をさがす転職も必要な解決方法ではないでしょうか。無駄な争いをお互いに避け、新たなる違うフィールドでの挑戦はBさんにとって自身の可能性を広げるチャンスともなり得るでしょう。転職は挑戦しづらいという考えの方は、異動願いなどで、自分の幅を広げるチャンスを探してみるのも良いでしょう。

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